Flyover country 2017 6 25

書名 超一極集中社会アメリカの暴走
著者 小林 由美  新潮社

 アメリカの政治スローガンには、
「トップ1%対残り」という言葉が頻繁に登場するという。
 しかし、著者がデータを調べてみると、
この言葉は正確でなく、
「トップ0.01%対残り99.99%」だと言うのです。
つまり、上位0.01%に富と権力が集中しつつあるという。
 どうして、こんなに格差が発生してしまったのか。
著者は、こう言います。
 昨今の技術進歩は、
人間がついていけるスピードを大きく上回ってしまいました。
 かつて、人々は、若い時に基本知識や基本スキルを習得して、
その習熟度を上げることで体力の衰えを補いつつ、人生を全うしてきました。
 しかし、今や、習得したスキルの寿命は短くなる一方で、
逆に人間の寿命は長くなって、
従来の基本的な生涯パターンが壊れつつあることを多くの人が感じている。
(引用、以上)
 確かに、IT業界では、「ドッグイヤー」と言われます。
つまり、犬が1年で7歳も年を取るように、
IT業界の進化速度は、1年が7年に匹敵するような速度だと言われています。
 今や、アメリカの巨大企業といえば、
アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、フェイスブックとなっています。
こうした企業は、IT業界に属しています。
 確か、10年前は、
銀行や石油が上位にあったと思います。
 私は、毎日、常に最新情報を取り入れていますが、
それでも、時代遅れになっています。
 知人から、「ツイッターやフェイスブックは、もう古い。
これからは、マストドン(Mastodon)である」と言われました。
ネットでは、マストドンに乗り遅れてしまった人への救済講座があります。
 さて、「Flyover country」について、著者は、こう書いています。
 アメリカ国民は、富の集中や金権政治にうんざりしています。
労働者の味方だったはずの民主党が、
クリントン政権の頃から都市の進歩派富裕層を主要な資金源に取り込み、
彼らの利益を代表するようになりました。
 アメリカは、Flyover country(上空を飛ぶ国)になって、
つまり、権力者も資金も、東海岸と西海岸を飛行機で往復するだけで、
その空路の下にある大陸中央部は、完全に無視され、馬鹿にされている。
中西部や南部の労働者は、生活困窮の原因をそのように認識していました。
(引用、以上)

Redneck 2017 5 7
 私が生まれた家は、農家でした。
日本の平均的な農家に比べれば、
耕作面積は大きかったと思いますが、
それでも生活は豊かとは言えなかったと思います。
 大粒の汗が流れ落ちている父母を見て、
私は農作業の手伝いをしました。
 その時、父母から「首に手拭いを巻け」と言われましたが、
それでは、外見が「田舎のおやじ」になってしまいますので、
私は、手拭いを使わなかったのです。
 しかし、後になって、大変なことになったのです。
首筋というか、首の後ろが日焼けをしてしまい、
赤くなって、ひりひりと痛むようになったのです。
薬を塗りましたが、あまり効果がなく、痛みが2日ぐらい続いたと思います。
 「Redneck」とは、日本語に直訳すると、「赤い首」となるでしょうが、
アメリカでは、屋外で、肉体労働をして首が赤くなった肉体労働者の意味です。
首筋が赤くなるということは、白人の肉体労働者のことかもしれません。
こうした人たちが、トランプ氏の大統領選挙当選の原動力になったかもしれません。
 さて、父母が、一生懸命働いたおかげで、
私は、東京の大学に入学することができましたが、
そこで、不思議なことを見ました。
 当時は、学生運動が盛んで、
今風に言えば、リベラル運動となるのでしょうか。
 そういう運動に参加している人に、意外な人たちがいたのです。
東京という大都市の一等地に生まれて自宅は裕福な家庭なのに、
学生運動に参加している人たちがいたのです。
 私は、「なぜ、大都会に生まれて裕福な家庭なのに、
学生運動に参加するのか」と、ずっと不思議に思っていましたが、
後になって、知人から聞いたところでは、
「裕福でも、彼らが学生運動や左翼運動に参加するのは、
一種のファッションであり、格好いいからだ」というのです。




























































































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